韓国ドラマファンなら一度は目にしたことがあるはず、あの印象的な顔。
犯罪者役からコミカルなおじさんまで、どんな役でも自分のものにしてしまう演技力を持つキムソンギュン。
キムソンギュンの演技に魅了された方も多いのではないでしょうか。
でも実は、キムソンギュンの魅力は演技だけではないんですよね。
画面の向こうで見せる迫力ある演技の裏側には、家族を何よりも大切にする温かい人間性が隠されているんです。
今回は、そんなキムソンギュンの魅力を、妻との愛の物語、代表的なドラマ作品、意外な性格、そして心に残る映画出演作まで、たっぷりとご紹介します。
キムソンギュン妻との「運命の再会」から「愛の結晶」へ。舞台女優の妻が支えた、彼の“無名時代”と“家族愛”の物語
キムソンギュンの人生を語る上で、絶対に外せないのが妻・キムヘジョンとの物語なんです。
二人の出会いは、加耶大学演劇映画学科での同期時代。
当時21歳だったキムソンギュンは、同じ学科のキムヘジョンに一目惚れしたそうです。
告白して付き合い始めたものの、若さゆえのすれ違いもあり、一度は別れてしまいました。
その後、キムソンギュンは大学を1年半で中退してソウルへ上京し、演劇の道を歩み始めます。
一方、キムヘジョンは地元で演劇活動を続けていました。
そして運命の再会は、兵役を終えたキムソンギュンが再び演劇の舞台に立った時。
偶然同じ職場で再会した二人は、自然と距離を縮め、今度は深い絆で結ばれていきました。
2010年6月27日、30歳になったキムソンギュンは、ついにキムヘジョンとゴールイン。
結婚当時、俳優としての安定した収入はなく、演劇俳優として日雇い労働のアルバイトをしながら生計を立てる日々だったといいます。
それでもキムヘジョンは「なんとかなるでしょ」といつも明るく笑って、キムソンギュンを支え続けました。
キムソンギュンが長距離恋愛時代を振り返って語ったエピソードも素敵です。
大邱とソウルの遠距離恋愛中、彼女と別れるのが辛くて、夜遅くまで一緒にいて、そのまま始発で大邱に帰ったこともあったそう。
そんな純粋な愛の形が、キムソンギュンの今にも変わらず続いているんですね。
結婚後、長男ドギョン、次男ドユン、長女ドアと3人の子どもに恵まれた二人は、現在、京畿道ヤンピョンの田舎で家族5人、穏やかな暮らしを送っています。
キムソンギュンが「最も大切なのは家族」と語る言葉には、妻への深い感謝と愛情が込められているんです。
公式には妻の写真は公開されていませんが、大学時代の演劇パンフレットには、22歳の頃の二人の姿が残されているそうです。
時を超えて再び結ばれた二人の愛は、まるでドラマのワンシーンのようで、羨ましい限りです。
キムソンギュンのドラマ「応答せよ」から「D.P.」まで。役柄に隠された彼の「素顔」と、演技に注ぐ熱い想いに共感せずにはいられない
キムソンギュンといえば、やはりドラマでの活躍が印象的ですよね。
キムソンギュンの名を全国に知らしめたのは、2013年の『応答せよ1994』でした。
当時34歳だったキムソンギュンが演じたのは、なんと20歳の大学生・サムチョンポ役。
田舎から上京してきた素朴で純粋な青年を、老け顔を逆手に取って見事に演じきりました。
それまで映画『悪いやつら』や『隣人』でちんぴらや殺人鬼役を演じていたキムソンギュンが、こんなにも可愛らしくコミカルな役を演じるなんて、誰が想像したでしょうか。
しかも相手役のドヒとは実年齢で14歳も差があったというから驚きですよね。
このドラマの大ヒットにより、キムソンギュンは新たな一面を視聴者に見せることに成功しました。
そして続く『応答せよ1988』では、主人公ジョンファンの父親・キムソンギュン役として登場。
明るく優しい性格で、いつもテレビで覚えたつまらないダジャレやギャグを飛ばす愛すべきアボジ(お父さん)を演じ、視聴者の心を温かくしました。
この作品も韓国ケーブルチャンネル視聴率歴代1位を記録する大ヒット作となって、キムソンギュンの名は不動のものとなったと思います。
近年では、2019年の『熱血司祭』で最高視聴率24%を記録。
キム・ナムギル演じる暴力神父の相棒として、検事ク・デヨン役を熱演しました。
そして2024年には待望の『熱血司祭2』がディズニープラスで独占配信され、再び大きな話題を呼びました。
さらに忘れてはいけないのが、2023年の『ムービング』。
この作品では超能力を持つ子どもたちの父親世代として、優等生イ・ガンフンの父・イジェマン役を演じました。
自分の店の前の縁台に座って、息子を見守る温かい父親像は、多くの視聴者の涙を誘いましたね。
このドラマは”賞レース総なめ”と言われるほどの大ヒット作となり、キムソンギュンの演技力が改めて評価されたと思います。
他にも『D.P. -脱走兵追跡官-』『離婚弁護士シン・ソンハン』『弱いヒーロー』など、Netflix作品にも多数出演。
どの作品でも印象的な演技を見せてくれるキムソンギュンは、まさに韓国ドラマに欠かせない存在となっていると思いませんか。
キムソンギュンの性格「コミカルな役」の裏に秘めた、繊細で誠実な「本当の彼」。妻や共演者が語る、愛すべき人柄の魅力
画面で見るキムソンギュンは、強面で迫力のある役が多いですよね。
でも実際のキムソンギュンの性格は、想像とは全く違うんです。
なんと、本来の「人間」キムソンギュンは、美しい言葉遣いと繊細な性格の持ち主で、特に自然をとても愛する植物オタクだったんですよ。
驚きですよね。
京畿道ヤンピョンの田舎で家庭菜園を手がけているのも、この植物愛が理由。
子どもたちに「土に触れて育ってほしい」という願いもあるそうですが、本人は「買ったほうがラク(笑)」と笑いながら語るユーモアも持ち合わせています。
また、実際の性格は極度に小心者で、オーディションではいつも緊張してしまうのだとか。
演劇俳優時代には、オーディションに合格したことが一度もなく、すべて知り合いの推薦で役をもらっていたというエピソードがあります。
それでいて、映画『悪いやつら』のオーディションでは、「もう演劇をやめる覚悟」でリラックスして臨んだことで合格。
この緊張しやすい性格が、逆に俳優人生の転機を生んだというのが、なんとも皮肉で面白いですよね。
先輩俳優ハジョンウとのエピソードも素敵です。
キムソンギュンは、ハジョンウのことを「本当に器が広い人だ」と尊敬の念を込めて語っています。
映画『悪いやつら』で共演した際、ハジョンウから多くのことを学んだそうで、その影響は今でも大きいのだとか。
家族に対する愛情も深く、冷蔵庫に子どもたちの好物がたくさん入っていると「とても嬉しい」と語るほどの子煩悩パパ。
テレビ番組では「パパが料理したら、子どもはねじ曲がらない」と話し、積極的に父親業をこなす姿も見せています。
また、まだ幼い子どもを連れて出演した映画の撮影で得た商品券が家計を支えたとき、思わず涙があふれたという話も。
家族への深い思いが胸に響く素敵なエピソードですよね。
さらに驚くのは、妻との関係性です。
演劇の話をしていて意見が合わず喧嘩になったとき、「あなたって本当にひどい人ね」と言われたこともあったそうですが、それでも互いに尊重し合い、支え合う関係を築いています。
このように、強面の外見とは裏腹に、繊細で優しく、家族思いで自然を愛する――。
それが本当のキムソンギュンなんですね。
キムソンギュンの映画「犯罪都市」から「ソウルの春」まで。スクリーンで放つ「圧倒的な存在感」と、彼が選ぶ作品の「深いメッセージ」
キムソンギュンの俳優人生のスタートは、映画からでした。
2012年、32歳で映画デビューを果たした『悪いやつら(原題:犯罪との戦争)』。
主演ハジョンウの右腕、ちんぴらのパク・チャンウ役を演じたこの作品で、キムソンギュンは一躍注目を集めました。
「本当のちんぴらをキャスティングしたのでは?」と話題になるほどの迫真の演技は、今でも語り草となっています。
同年には『隣人-The Neighbors-』で連続殺人鬼役を演じて、その演技の幅広さを見せつけました。
2013年には『ファイ 悪魔に育てられた少年』『結界の男』など、ダークな役柄を次々と演じ、「悪役といえばキムソンギュン」というイメージを確立していきました。
2014年の『群盗』では時代劇に挑戦し、2015年の『鬼はさまよう』でもホラー作品で存在感を発揮しました。
その後も着実にキャリアを積み重ね、2018年には『ミッション:インポッシブル フォールアウト』のような大作にも出演。
2020年には『詩人の恋』『鬼手』など、幅広いジャンルの作品に挑戦し続けています。
2021年の『奈落のマイホーム』では、マイホームを手に入れたものの思わぬトラブルに巻き込まれる家族の父親役を熱演。
2022年の『ハンサン 龍の出現』では歴史大作に参加し、その演技力を改めて証明しました。
そして2023年、『ソウルの春』ではキム・ジュニョプ役で出演し、この作品は韓国で大ヒット。
同年の『ターゲット 出品者は殺人鬼』ではチュ刑事役として、サスペンススリラーの世界を盛り上げました。
2024年には『武道実務官』で、保護観察官キム・ソンミン役を演じました。
「暖かくて優しいが、仕事をする時だけは誰よりも慎重で剛直な真の大人」という役柄は、キムソンギュンの新たな一面を見せてくれたと思います。
こうして振り返ると、映画デビューから12年以上、常に挑戦し続けているキムソンギュン。
犯罪者、殺人鬼、父親、刑事、保護観察官――。
どんな役でも自分のものにしてしまう演技力こそが、キムソンギュンの最大の魅力なんですよね。
まとめ
キムソンギュン――。
キムソンギュンの名前を聞いて、あなたはどんなシーンを思い浮かべましたか?
『応答せよ』シリーズでの笑顔いっぱいのサムチョンポ?
それとも『熱血司祭』での頼もしい検事?
あるいは『ムービング』で見せた、息子を静かに見守る父親の姿でしょうか。
どの役も、まるで別人のように演じ分けるキムソンギュンですが、その根底にあるのは、家族への深い愛と、演技への真摯な姿勢。
大学時代に出会い、一度は別れたものの、運命的に再会した妻・キムヘジョン。
苦しい時代を「なんとかなるでしょ」と笑顔で支えてくれた彼女の存在が、今のキムソンギュンを作り上げたといっても過言ではありませんよね。
そして3人の子どもたちと共に、京畿道ヤンピョンの田舎で、自然に囲まれながら穏やかに暮らす日々。
植物を愛し、家庭菜園を楽しみ、子どもたちのために料理を作る――。
強面の外見からは想像もつかない、繊細で優しい性格が、キムソンギュンの演技にも深みを与えているんだと思います。
これからも、ドラマや映画で私たちを驚かせ、笑わせ、感動させてくれるキムソンギュン。
キムソンギュンの作品を見るたびに、「ああ、やっぱりこの人の演技は素晴らしい」と改めて実感するはずです。
そして画面の向こうには、愛する家族と共に過ごす温かな日常があることを知ると、私はもっともっと応援したくなってしまいました。
キムソンギュンの新たな挑戦と、家族との幸せな時間が、これからも続いていきますように。

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